黒井城は、兵庫県丹波市に残る戦国の山城。
秋〜初冬の朝に現れる雲海の絶景で知られ、石垣や曲輪などの遺構が今も生々しく残ります。
登り口はJR黒井駅から徒歩約15分、主郭までは20〜50分の登山と手頃ながら、山頂からは丹波の山並みが360度広がって、その迫力は思わず息をのむほど。
ふもとには徳川家光の乳母・春日局ゆかりの興禅寺もあり、歴史好きにも写真好きにもたまらないエリアです。
本記事では、黒井城観光に使いやすい宿を5軒厳選し、現地で迷わない歩き方やモデルコース、グルメ、お役立ち情報まで網羅。これ一つで黒井城旅の準備がまるっと整います。
初めてでも失敗しないポイントを、やさしく、でもしっかり実用的にまとめました。登山装備とワクワクを用意して、いざ出陣!
黒井城観光に便利なおすすめ宿泊施設5選
ホテルサンルート福知山
JR福知山駅北口から徒歩3分の駅前ホテル。客室はシンプルで静か、全館Wi‑Fi、先着順で無料駐車場49台と、鉄道・車のどちらにも使いやすい拠点です。
駅近なので朝一番の列車で黒井へ向かいやすく、帰りに福知山城の夜景散歩や夕食スポットにも困りません。ビジネスホテルらしい安定の使い勝手で、短期の城めぐりに最適。
黒井城までのアクセス
・JR福知山→黒井:普通列車で約19〜22分、黒井駅から登山口まで徒歩約15分、登山口から主郭へ20〜50分。合計およそ60〜90分を見ておけば安心です。
周辺スポット
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福知山城:駅から徒歩約15分。光秀ゆかりの名城で展示も充実。天橋立:福知山から丹鉄などで約50〜80分。海景色の名勝へ日帰り可。
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日本の鬼の交流博物館(大江):車で目安30〜40分。酒呑童子伝説を学べる資料館。
ホテルロイヤルヒル福知山&スパ
福知山ICから車3分、駐車場200台の大型ホテル。天然温泉スパ付きで、登山後の汗を流すのに最高。客室は広めでファミリーにも使いやすく、車旅・グループ旅の拠点に向きます。
駅からは車で約8〜10分の距離感。温浴+城歩きで「整う」旅が叶います。
黒井城までのアクセス
・車:ホテル→春日IC経由で登山者用駐車場へ約30〜35分が目安。黒井駅から歩き15分の登山口も覚えておくと回遊しやすいです。
周辺スポット
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福知山城:車約10分。駅から徒歩でも約15分。
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天橋立:列車利用で約50〜80分。ドライブでも日帰り圏内。
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日本の鬼の交流博物館:大江方面へ車で目安35分。
アールイン福知山
JR福知山駅南口すぐ。雨の日でもほぼ濡れずにチェックインできる好立地。
ビジネスユースで鍛えられた動線と料金バランスが魅力で、身軽に動きたいソロ旅・カップル旅にフィットします。夜は駅前で食事、朝は始発で黒井へ。テンポよく回れる宿です。
黒井城までのアクセス
・JRで約19〜22分+徒歩15分。時間に余裕を見て、登山口〜主郭20〜50分。秋冬の雲海狙いは早朝便を。
周辺スポット
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福知山城:徒歩約15分。朝の散歩にぴったり。
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天橋立:鉄道で約50〜80分。早出して午前中に往復も可能。
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日本の鬼の交流博物館:車で約35分。伝説とアートの展示が楽しい。
丹波ささやまホロンピアホテル
JR篠山口駅から徒歩5分・丹南篠山口ICから車1〜3分。城下町さんぽや篠山グルメに強い立地で、黒井城と篠山城の「山城+平城」セット巡りにも最適。
駐車場100台無料、館内に飲食も揃う使い勝手の良さが魅力です。
黒井城までのアクセス
・JR篠山口→黒井:直通の普通列車で約33〜42分。黒井駅から徒歩15分で登山口、そこから20〜50分で山頂へ。
周辺スポット
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篠山城大書院:駅からバス+徒歩で約15〜20分。壮麗な大書院は必見。
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河原町妻入商家群:ICから車10分・バス便あり。町家の古い町並みが美しい。
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立杭 陶の郷:ICから車約20分。丹波焼の窯元めぐりと体験が楽しめます。
ホテル丹波ヒルズ(旧:パークインカイバラ)(BBHホテルグループ)
丹波市柏原町の国道沿いにある実直なビジネスホテル。北近畿豊岡道・氷上ICから約15分、JR柏原・石生から車で10分と車移動に強く、黒井城の麓までのアクセスもスムーズ。
無料駐車場や大浴場(提供有無は要確認)など、コスパ重視の拠点として頼れます。
黒井城までのアクセス
・車:ホテル→黒井城登山口駐車場へ約20〜25分(交通状況次第)。JR利用なら柏原・石生から黒井まで一駅ずつ先のローカル線旅も可能。
周辺スポット
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興禅寺(春日局出生地伝承):黒井駅近く。七間濠と高石垣が残る名所。
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高源寺:丹波屈指の紅葉名所。車で約40分。
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道の駅 丹波おばあちゃんの里:特産品が充実。春日ICそば。
ホテル名 | ホテル丹波ヒルズ(旧:パークインカイバラ)(BBHホテルグループ) |
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(読み) | ほてるたんばひるず(びーびーえいちほてるぐるーぷ) |
特 色 | 丹波市の中心地としてビジネス、観光に利用できるホテル |
料 金 | 4300円~ |
住 所 | 〒669-3311 兵庫県丹波市柏原町母坪380 |
電 話 | 050-1726-3552 |
FAX | 0795-72-3495 |
最寄駅 | 柏原(兵庫) |
アクセス | JR石生駅から車5分・柏原駅から車10分 氷上ICから車5分の丹波市の中心地 丹波市消防本部前 |
駐車場 | 平面駐車場50台 普通車無料。バス・トラックはご相談ください。 |
投稿件数 | 488件 |
★の数 | (総合): 4.17 |
黒井城の歴史をたどる
起源と別名「保月城」
黒井城は丹波国氷上郡の山上に築かれた山城で、別名は保月(ほげつ/ほづき)城。始まりは南北朝期とされ、その後の改修で戦国期の強固な姿になりました。
現在は国指定史跡に指定されています。こうした履歴の骨格を知っておくと、現地で見る石垣や曲輪の意味がぐっと立体的に感じられます。
「丹波の赤鬼」赤井直正が築いた最強の山城
1554年に城主となった荻野(赤井)直正は、周囲に鳴り響く猛将。
丹波一円に勢力を広げる中で黒井城を大改修し、戦国後期の雄大な山城へと鍛え上げました。彼は「丹波の赤鬼」と呼ばれ、のちの明智軍の攻勢にも最後まで粘り強く抗した存在。
城の要塞性は、彼の軍事思想の反映と言われます。
明智光秀の丹波攻めと落城
1575年に始まる光秀の丹波攻めに対し、黒井城はしぶとく抵抗します。しかし直正は天正6年に病没、翌7年(1579)に城は落城。ここを押さえたことで光秀は丹波一国を掌握し、畿内制圧の布石を固めました。
現地に残る高石垣や切岸の険しさは、当時の厳しい攻防を今に語ります。
斎藤利三と春日局の誕生伝承
落城後に黒井を治めたのが光秀の重臣・斎藤利三。
徳川家光の乳母として知られる春日局(お福)は、この利三の娘で、黒井城の下館跡・興禅寺で出生し3歳まで育ったと伝わります。境内には「産湯の井戸」や腰掛け石が残り、麓歩きでも歴史の息遣いを感じられます。
国史跡・続日本100名城No.163の現在地
黒井城は国史跡であり、「続日本100名城」No.163にも選定。スタンプは「春日住民センター」に設置され、8:30〜22:00まで押印可能です。
現地の保存・整備は着実に進んでおり、麓と山頂の双方で史跡としての価値を体感できます。
黒井城の歩き方・見どころ
登山口・所要時間・標高の基本
黒井駅から登山口までは徒歩約15分。登山口から主郭(山頂)までは20〜50分で、比高差は約250m。標高は約356mの猪ノ口山に築かれた山城です。道は山道のため、滑りにくい靴と動きやすい服装が安心。鉄道アクセス良好で、午前中の半日でも十分に往復できます。
山上に残る石垣・曲輪のダイナミズム
黒井城の魅力は、山頂一帯に広がる曲輪群と高石垣。直正期の土の城と、利三以降の石垣が重層的に残り、戦国の築城技術をフィールドワークのように体感できます。
堀切や虎口を一つずつ観察しながら歩くと、守りと攻めの動線が見えてきて面白いはず。建物は残っていませんが、遺構の保存状態は良好です。
雲海のベストシーズンと撮影ポイント
黒井城は「天空の城」さながらの雲海スポット。
時期は概ね9月下旬〜12月上旬、朝の冷え込みがあり日中は晴れる日が狙い目です。夜明け前に登り、山頂で日の出とともに雲海が広がる瞬間は格別。
安全のためヘッドライトや防寒具を用意し、天候と日の出時刻を事前確認しましょう。
麓のハイライト:興禅寺の七間濠と白壁
登山前後には、麓の興禅寺に立ち寄りを。
満々と水を湛える七間濠、野面積みの高石垣、白塗りの塀が当時の「下館」の風情をよく残しており、春日局の産湯の井戸など見どころ豊富。
黒井駅からも近く、山歩きとセットで歴史散策が楽しめます。
スタンプ・駐車場・トイレの実用情報
「続日本100名城」スタンプは春日住民センター(8:30〜22:00)。
登山者用の無料駐車場が整備され、2020年に拡張された新駐車場も便利です。登山道途中にトイレは基本ないため、麓で済ませてから入山を。
現地ルールを守り、史跡保全に配慮した歩き方を心がけましょう。
モデルコース
【電車派・半日】福知山起点のサクッと周遊
福知山駅から黒井駅へ約19〜22分。黒井駅→登山口を徒歩15分、山頂まで20〜50分。
下山後は興禅寺で史跡めぐり&春日住民センターでスタンプ、時間があれば道の駅「丹波おばあちゃんの里」で特産チェック。
夕方は福知山へ戻って福知山城のライトアップもおすすめ。
【早朝雲海】ご来光を狙う安全第一プラン
雲海狙いは9〜12月の冷え込む朝。前夜は福知山・柏原・篠山口周辺に宿泊し、未明に出発。
ヘッドライト・防寒手袋・飲料・行動食は必携。日の出の30〜60分前には山頂に着くよう逆算します。
下山後は温かい飲み物で体を温め、麓の駐車場や興禅寺で休憩を。自然条件で出現率は変動するので、無理は禁物です。
【車で満喫】黒井城+篠山城+福知山城の三城めぐり
午前:黒井城。昼:篠山城大書院へ移動(車で目安35〜40分)。
午後:福知山城へ(黒井→福知山は30〜35分程度)。
城種の違い(山城/近世平城)を一日で体感できます。時間があれば天橋立へ足を延ばすアレンジも。
季節別の楽しみ方
春は新緑と山桜、夏は濃い緑陰で涼やかに。
秋は黒井城の雲海に加え、丹波市の高源寺で紅葉狩りが最盛(例年11月上旬〜下旬)。
冬は空気が澄み、雪化粧の山並みがとても美しい日も。季節の主役を決めて旅程を組むと満足度が跳ね上がります。
【初心者&家族】麓散策を中心に
小さな子ども連れや初心者は、黒井駅〜興禅寺の麓散策からスタート。
史跡を味わったら、道の駅で休憩&ランチ。余裕があれば、登山口を少しだけ上がって山道の雰囲気を体験するのもおすすめです。
ローカルグルメ&おみやげ
冬は名物・ぼたん鍋
丹波篠山といえば猪肉の味噌仕立て「ぼたん鍋」。各店でだしや味噌が異なり、山椒の香りが食欲をそそります。
冬季限定の名店や通年提供の店もあり、冷えた体に染みるごちそう。予約のうえ訪ねると安心です。
黒豆・黒枝豆は“旬”で楽しむ
秋の「黒枝豆」から冬の「黒大豆」へ。丹波篠山の黒豆は大粒でふっくら、風味の強さが段違い。お土産には煮豆や甘納豆も人気で、直売所や特産館で手に入ります。
栗スイーツ天国・丹波栗
「丹波栗」は地域一帯のブランド。秋には栗フェアも催され、モンブランや栗パン、栗ようかんなど地元色豊かなスイーツが勢ぞろい。
時期が合えば観光栗園での栗ひろいも。
迷ったら道の駅へ
春日IC近くの「道の駅 丹波おばあちゃんの里」には、黒大豆・栗・大納言小豆など丹波の美味が勢ぞろい。雲海帰りの朝にも立ち寄りやすく、軽食や休憩にも便利です。
工芸の手ざわり:立杭焼と「陶の郷」
黒井から車で足をのばせば、日本六古窯の一つ・丹波焼の里へ。窯元めぐりや作陶体験ができる「立杭 陶の郷」で、お皿やカップを旅の記念に。
素朴で力強い器は、家でも丹波の余韻を運んでくれます。
観光情報・アクセス
電車・車のアクセス総まとめ
・電車:福知山→黒井はJRで約19〜22分、篠山口→黒井は約33〜42分。黒井駅から登山口は徒歩15分。
・車:福知山市街→黒井駅周辺は約30〜35分が目安。春日ICから登山口駐車場は約5分。
駐車場・設備・マナー
登山者用の無料駐車場が整備済み。
山道にトイレは基本なし(麓で済ませる)。
史跡の石垣や遺構に登ったり、苔を傷める行為は厳禁。ゴミは持ち帰り、クマ・蜂など自然環境にも注意を。
近隣の城めぐり・寄り道アイデア
福知山城は駅から徒歩約15分の好アクセス。
篠山城跡へは黒井から車で約35〜40分。
日本海側の天橋立も、福知山起点で鉄道約50〜80分と日帰り圏。城+海+町歩きの多彩なセットで旅を組み立てられます。
年間イベント・旬カレンダー
秋:黒井城の雲海(9月下旬〜12月上旬)、丹波栗の季節イベント。
晩秋〜初冬は朝活の絶景チャンス。夏:高源寺の風鈴まつり(年により変動)。
紅葉は11月上旬〜下旬が目安。季節の催しと絡めると旅はもっと楽しく。
よくある質問(FAQ)
Q:天守はある?
A:建物は残っておらず、土の城・石垣などの遺構が見どころです。
Q:スタンプはどこ?
A:春日住民センター(8:30〜22:00)に設置。
Q:標高や所要は?
A:標高約356m、駅→登山口約15分、登山口→主郭20〜50分。
まとめ
黒井城は、アクセス良好な「本格派の山城」。
登山時間は短めでも、山上に広がる郭と石垣のスケール、季節によっては雲海のご褒美が待っています。
麓の興禅寺では春日局の伝承に触れ、史跡の物語が一気に立ち上がるはず。
福知山・篠山口・柏原など周辺の宿を上手に使えば、早朝の雲海狙いも、三城めぐりも、グルメ探訪も自在。
安全に配慮しつつ、歴史と自然、そして丹波の味覚を丸ごと楽しむ——それが黒井城旅の醍醐味です。次の休みに、軽やかに「丹波の赤鬼」の牙城へ出かけてみませんか。