福岡の都心にありながら、まるで時が止まったような歴史の空間が広がる「福岡城」。黒田長政が築いたこの名城は、石垣や天守台、そして舞鶴公園として整備された広大な敷地を誇り、春は桜、秋は紅葉と四季の彩りが楽しめます。
この記事では、福岡城の歴史や見どころを深く掘り下げつつ、徒歩圏内のおすすめ宿泊施設5選を“宿からのアクセス・周辺観光スポット付き”で丁寧に紹介。さらに、グルメや文化施設、1泊2日の旅モデルコースまで、福岡城を中心にした旅を丸ごとナビゲートします。
そして「日本百名城」にも選ばれています。
福岡城観光におすすめの宿泊施設5選(徹底解説)
※:ランキングや表示順はむーちゃん独自によるもので公式なものではありません。
UNPLAN Fukuoka|交流とデザインを楽しむ福岡旅の拠点
福岡城から徒歩15分圏内、大濠公園のすぐそばにあるスタイリッシュなゲストハウス。国内外の旅行者が集う共有ラウンジでは、旅の情報交換やふとした会話が旅の思い出になります。
個室もあり、プライバシーを確保しながら手頃な価格で宿泊できるのが魅力です。
🟠 福岡城までのアクセス
・徒歩約15分(大濠公園経由、散歩にぴったり)
🟢 近隣の観光スポット
・大濠公園(徒歩2分)
・福岡市美術館(徒歩6分)
・唐人町商店街(徒歩10分)
・西公園(徒歩15分)
💬 コメント
「旅人同士の交流が好きな方や、ひとり旅で地元の空気を感じたい人にぴったり。大濠公園の朝散歩もおすすめ!」
ホテルリファレンス六本松コンドミニアム|暮らすように旅する都市滞在
六本松エリアにある長期滞在者向けのコンドミニアムタイプの宿。キッチン・洗濯機完備で、自宅のように快適に過ごせるのがポイント。近くには科学館や蔦屋書店があり、知的好奇心をくすぐるエリアです。
🟠 福岡城までのアクセス
・徒歩約10分(六本松から舞鶴公園方面へ直進)
🟢 近隣の観光スポット
・福岡市科学館(徒歩5分)
・六本松蔦屋書店(徒歩3分)
・護国神社(徒歩10分)
・大濠テラス(徒歩7分)
💬 コメント
「地元スーパーやベーカリーも豊富で、自炊派やワーケーション利用者に最適。知的で落ち着いた滞在が可能。」
アパホテル〈福岡天神西〉(全室禁煙)|ビジネスにも観光にも最適な機能美
天神西通りから一本奥に入った静かな立地で、ビジネスユースから観光まで幅広く対応。全室禁煙・大浴場なしのシンプル構成ですが、機能性・立地・価格のバランスが秀逸です。
🟠 福岡城までのアクセス
・徒歩約15分(赤坂駅〜舞鶴公園)
🟢 近隣の観光スポット
・天神西通り(徒歩5分)
・警固公園(徒歩8分)
・福岡パルコ/岩田屋本館(徒歩10分)
・屋台通り(徒歩12分)
💬 コメント
「夜は天神の屋台巡り、昼は歴史散策という“福岡らしさ”がぎゅっと詰まった立地。出張ついでの観光にも◎」
ホテルJALシティ福岡 天神|上質&好アクセスで快適ステイ
赤坂駅から徒歩3分、上質なホスピタリティが自慢の都市型ホテル。スタイリッシュなインテリア、静かで落ち着いた館内はカップルや女性旅にも人気です。
🟠 福岡城までのアクセス
・徒歩約12分(赤坂門から舞鶴公園へ)
🟢 近隣の観光スポット
・福岡市美術館(徒歩12分)
・天神地下街(徒歩5分)
・舞鶴公園(徒歩10分)
・赤坂けやき通り(徒歩8分)
💬 コメント
「“福岡らしい時間”を丁寧に過ごしたい大人の旅におすすめ。静けさと利便性を両立。」
ホテルリブマックス福岡天神WEST|コスパ旅でも妥協なし!
全室に電子レンジ&冷蔵庫付き。格安ながら設備は充実しており、立地も申し分なし。福岡を拠点に動くアクティブな旅にぴったりの宿です。
🟠 福岡城までのアクセス
・徒歩約12分(明治通りを直進)
🟢 近隣の観光スポット
・天神中央公園(徒歩10分)
・大濠公園(徒歩15分)
・福岡市美術館(徒歩14分)
・赤坂けやき通り(徒歩6分)
💬 コメント
「“宿は寝るだけ派”でも清潔感と利便性は譲れない!という方に。コスパ重視の旅人の強い味方。」
福岡城の魅力を深堀り!歴史・構造・天守台からの眺めまで
黒田長政が築いた“九州最大級”の平山城
現在の福岡の礎とも言える「福岡城」は、1601年、関ヶ原の戦いの功績で筑前52万石を拝領した黒田長政(黒田官兵衛の息子)によって築かれました。
江戸時代初期にしては非常に大規模で、天守台を中心に47基の櫓を配した、九州最大級の平山城です。
城の立地には地形的・戦略的な意図があり、福岡城は博多湾と那珂川、そして丘陵地を背にして構築され、海からの防御と政庁としての利便性を兼ね備えていました。また、かつてこの地に存在していた古代迎賓施設「鴻臚館(こうろかん)」跡の上に建てられていることも、歴史の連続性を感じさせます。
「福岡」という地名自体も、長政の出身地である備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)に由来しており、城の名前がそのまま“都市名”になった全国でも珍しい例です。
天守台と石垣に残る、かつての威容
福岡城の最大の見どころの一つが、現在も残る石垣群と天守台跡です。
築城当時は五重の天守が計画されていたものの、最終的には天守そのものは建設されず、天守台だけが造られたと伝わっています。
この天守台は、今も一般公開されており、階段を登ると福岡市街や博多湾、志賀島まで一望できるパノラマビューが広がります。春は桜、秋は紅葉と季節ごとに違った表情を見せてくれ、カメラ片手に訪れる観光客も多いスポットです。
石垣の積み方も注目ポイントで、「打ち込み接ぎ」と呼ばれる隙間の少ない高精度な技術で構築されており、当時の職人技が今も健在。特に本丸周辺の石垣は壮観で、かつての威容を感じさせます。
現存建築「多聞櫓」や「下之橋御門」で歴史を体感
福岡城には、江戸時代の建築物が現存しており、いくつかは重要文化財として保存・公開されています。
中でも注目すべきは「多聞櫓(たもんやぐら)」。これは、土塀と櫓が一体となった建築様式で、敵の侵入を防ぐ“長屋型の防御施設”です。
また、かつての大手門「下之橋御門(しものはしごもん)」は、復元・保存されており、重厚な屋根と門構えは城郭建築の美しさと力強さを感じさせます。
舞鶴公園の中に点在するこれらの建築は、現代の街並みに溶け込みながらも、確かに「城下町福岡」の歴史を物語っています。公園内に案内板も多く、初めて訪れる方でもわかりやすく学べる設計です。
“三つの時代”が重なる城――古代・中世・近世の融合
福岡城が特別なのは、ただの近世城郭ではなく、その地に「三つの歴史時代」が重なっている点にあります。
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古代:外交施設・鴻臚館(平安時代)
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中世:博多の町と海上貿易の要衝
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近世:黒田長政による福岡城築城
この三時代を一か所で体験できるのは全国でも珍しく、国際都市・福岡の成り立ちを象徴するスポットでもあるのです。
初心者でも安心!散策ルートと滞在時間の目安
初めて福岡城を訪れる方に向けて、モデル散策コースと所要時間の目安をご紹介します。
🌸 散策モデル(所要:90分前後)
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舞鶴公園入り口から「むかし探訪館」で歴史を予習
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本丸石垣を登り、天守台からの絶景を堪能
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多聞櫓・下之橋御門を見学
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鴻臚館跡展示館で古代の福岡を知る
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大濠公園まで抜けて休憩 or 美術館へ移動
季節や時間に応じて、桜・紅葉・イルミネーションなども楽しめるため、散策そのものが「体験型観光」として人気です。
補足① 黒田長政と福岡城の関係|“官兵衛の子”が築いた都市の礎
福岡城を語る上で欠かせない人物、それが「黒田長政(ながまさ)」です。
彼は豊臣秀吉の軍師として名を馳せた「黒田官兵衛(如水)」の長男で、父の知略と信長・秀吉・家康という三英傑を渡り歩いた外交力を受け継いだ人物でもあります。
関ヶ原の戦いでは、東軍として奮戦し、九州勢を取りまとめる立場で功績を上げ、筑前52万石の領地を得て福岡城の築城に着手します。
この城には、長政の“戦国武将としての思い”だけでなく、
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海運を重視した立地(博多湾に面する)
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中国風の城郭形式(高石垣・多聞櫓など)
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本丸に天守台を造りながら天守はあえて築かない慎重な姿勢
といった、「武」と「智」の融合的な価値観が反映されています。
また、福岡の地名そのものも、長政の出身地「備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市)」に由来。
つまり、「福岡市」という名前そのものが、黒田長政の都市設計の意思を受け継いでいると言えるのです。
彼の目指したのは“戦のための城”ではなく、“未来へ続く都市の拠点”。
福岡城の静かな石垣を歩いていると、そんな長政の志を今も感じることができます。
福岡城周辺で楽しむ!歴史・文化・自然・グルメの“福岡らしさ”体験スポット
大濠公園|“外堀”から生まれた都市型オアシス
福岡城の外堀を利用して整備された「大濠公園(おおほりこうえん)」は、都会の中とは思えないほど静かな水と緑の空間。
公園の中央には大きな池が広がり、その周囲にジョギングコース・ベンチ・散歩道・日本庭園・カフェが点在しています。
地元の人に混じってジョギングしたり、池の上を渡る橋でぼーっとしたり、**「何もしない贅沢」**が叶う場所です。春は桜、秋は紅葉、初夏は蓮の花、冬は水鳥と、四季折々の風景もまた魅力。
園内のスターバックスや「大濠テラス」では、湖面を眺めながらゆったりコーヒータイムが過ごせます。
旅行の中にちょっとした「暮らし」を感じたい方にぴったりのスポットです。
福岡市美術館|古美術と現代アートの架け橋
大濠公園の敷地内にある「福岡市美術館」は、リニューアルされた近代的な建築と、日本・アジアの伝統美術、現代アートを融合した展示内容が特徴です。
草間彌生、アンディ・ウォーホル、サルバドール・ダリといった世界的作家の作品も常設展示されており、館内には茶道具や仏像なども収蔵。“静と動”が共存するアート空間として国内外の観光客から高評価を得ています。
併設されたカフェも評判で、芸術鑑賞後の休憩にもおすすめ。旅行中に少し知的な刺激が欲しい方、静かな時間を求める方に最適なスポットです。
護国神社と赤坂けやき通り|心落ち着く歴史の散歩道
福岡城の北側に位置する「福岡縣護国神社」は、戦没者を祀る荘厳な神社でありながら、春には桜の名所としても有名。秋の七五三、年始の初詣など、地元の人々の生活とも密接に関わっています。
境内は広く静かで、心を整える時間にぴったり。神社の隣には、赤坂けやき通りという緑豊かな通りが延びており、おしゃれなカフェや雑貨店、ギャラリーが点在しています。
“ただ歩くだけで気持ちが良い”このエリアは、観光で疲れた心をリセットしてくれる癒しの空間。
天気が良ければ、ベーカリーで買ったパンを持って公園でランチ…なんて過ごし方もおすすめです。
天神西通り&地下街|福岡最大のショッピングゾーン
福岡城から徒歩圏内の「天神エリア」は、言わずと知れた九州一の繁華街。
天神西通りには、国内外のブランドショップやセレクトショップが並び、若者文化とトレンドの発信地となっています。
また、地下に広がる「天神地下街」は、雨でも安心なショッピング&グルメスポット。明太子やとおりもんなど福岡土産はもちろん、スイーツや人気ベーカリー、雑貨屋も充実しています。
観光・歴史・自然を堪能したあとは、やっぱり“買い物”という方に最適なエリア。
1日で“古今融合”の体験ができるのが、福岡城周辺観光の真骨頂です。
鴻臚館跡展示館|日本最古級の外交施設を歩く
福岡城の敷地内に位置する「鴻臚館(こうろかん)跡展示館」は、平安時代に設置された迎賓・外交施設の跡地。大陸や朝鮮半島からの使節や貿易船を迎える国際的な役割を果たしていました。
発掘調査によって見つかった建物基礎や陶磁器などが展示されており、“福岡=古代の国際都市”だった事実をリアルに感じることができます。
また、解説パネルや映像もわかりやすく、子どもから大人まで学べる構成になっています。
「黒田長政の城の下に、さらに古代国家の外交施設があった」という重層的な歴史は、全国的にも非常に珍しく、福岡城が単なる城跡ではない理由でもあります。
福岡城を中心に“時を旅する”1泊2日のモデルコース【初心者〜リピーター向け】
【1日目】午後出発で、歴史と自然にどっぷり浸かる“城下町タイム”
🕐 13:00|博多駅または福岡空港に到着 → 地下鉄で赤坂駅へ(約15分)
都市中心部へのアクセスの良さは福岡の大きな魅力。地下鉄空港線でストレスフリーに移動。
🕑 14:00|「福岡城跡」をじっくり散策(約90分)
まずは「舞鶴公園」入口にある「福岡城むかし探訪館」で予習。
その後は天守台・本丸石垣・多聞櫓・下之橋御門をたどりながら、黒田家の歴史に触れる本格的な城散歩へ。
🕒 15:30|鴻臚館跡展示館で古代ロマンに浸る(約30分)
平安時代の国際交流の舞台を今に伝える、国内でも希少な展示施設。歴史好きにはたまらない時間。
🕓 16:30|大濠公園でリフレッシュタイム(約60分)
自然の中でのんびりとしたひとときを。湖畔のカフェや大濠テラスでのんびりするのも◎。
夕方の光が水面を照らす時間帯は特におすすめ。
🕔 18:00|ホテルにチェックイン&ひとやすみ
紹介した5つの宿はいずれも徒歩圏内。スムーズに移動&休憩。
🕖 19:30|天神で福岡名物を満喫!
おすすめは「博多水炊き」「もつ鍋」「とんこつラーメン」。天神周辺には老舗から最新のおしゃれ居酒屋まで何でも揃っています。
🕘 21:00|夜の屋台街やけやき通りをぶらり散策
福岡といえば屋台!焼きラーメン、おでん、串など夜の街のグルメを楽しんで1日を締めくくりましょう。
【2日目】知と美と癒しをめぐる“文化とグルメ”の1日
🕗 08:30|ホテルで朝食 または近くの人気カフェでモーニング
パンストックやブルージャムなど、地元人気のパン屋もおすすめ。旅先の朝はちょっと贅沢に。
🕘 09:30|「福岡市美術館」で感性を磨く(約90分)
草間彌生やダリ、茶道具・仏像など幅広い展示を堪能。アートと静寂に包まれる朝のひとときは、旅に奥行きを与えてくれます。
🕚 11:00|「護国神社」と赤坂けやき通りをぶらり散策(約30〜40分)
心を落ち着けたい人におすすめ。季節によっては花や紅葉も楽しめるフォトスポットです。
🕛 12:30|天神地下街でショッピング&ローカルランチ
福岡土産をまとめ買いするならこのタイミングがベスト。ランチには「博多うどん」や「ごまさば定食」を。
🕒 14:30|地下鉄で福岡空港または博多駅へ移動 → 帰路へ
市内中心部から空港まで約15分、博多駅までは5分と、最後まで“スムーズ旅”を実現できます。
📝 モデルコースのポイント整理
項目 | 内容 |
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想定旅行者 | 初心者/女性ひとり旅/歴史好きカップル/城好きリピーター |
キーワード | 歴史、自然、グルメ、アート、癒し、買い物、写真映え |
総歩行距離 | 約6〜8km(ゆるやかで無理のない散策) |
滞在推奨時間 | 約24時間(午後着→翌日午後出発) |
補足② 福岡城をもっと楽しむ!旅の豆知識5選
福岡城を訪れる前に知っておくと、もっと楽しめる「豆知識」を5つご紹介します。
① 天守はなかった!?福岡城の“幻の天守”とは
天守台はありますが、実際に天守が建てられた記録はなし。
あえて天守を築かなかった理由は諸説あり、「徳川幕府に対する慎重な配慮」「石高に見合わない城と見なされぬため」とも言われます。
② 福岡城は「石垣の名城」
福岡城の見どころのひとつが、高く積み上げられた堅牢な石垣。
積み方の違いを見比べながら歩くと、城の進化や用途の違いが見えてきます。
③ 舞鶴公園の「四季イベント」に注目
春の桜まつり、秋の紅葉ライトアップ、夏の夜市や冬のイルミネーション。
一年を通してさまざまなイベントが開催され、地元民にも観光客にも人気です。
④ 鴻臚館跡で古代と近世の“時の交差”を体験
城の真下に、なんと古代の外交施設跡が!
このように**「違う時代の遺構が同一地点にある」**ケースは、全国でも非常に珍しいポイントです。
⑤ 城内の猫たちも密かな人気者
舞鶴公園内には人懐っこい野良猫が点在。
SNSでは「福岡城の城猫」として密かなファンも多く、癒されると評判です。
まとめ:歴史と街が重なる舞鶴の城跡で、“福岡の今と昔”を歩く旅を
福岡城は、ただの「城跡」ではありません。
黒田長政が築いた壮大な石垣、天守台から望む都市の景色、さらに古代の迎賓館・鴻臚館まで、千年以上の時の流れが交差する特別な場所です。
周辺には、美術館・公園・神社・グルメ・ショッピングなど、観光に必要なあらゆる要素が徒歩圏内に揃い、「短期間でも中身の濃い旅」が実現できます。宿泊施設も多彩で、ひとり旅、カップル、家族連れなど、どんな旅のスタイルにも対応。
都市と歴史、静けさと賑わい。すべてが絶妙なバランスで共存するのが福岡城の魅力です。
ぜひ一度、あなたもこの“重層的な歴史空間”を、ゆっくりと歩いて体感してみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この記事が読者様のお役に立てたら幸いです。