福知山のシンボル「福知山城」は、戦国武将・明智光秀が築いた名城として知られます。1986年、市民が瓦一枚ずつを寄付して天守を再建したというドラマチックな逸話も加わり、いまや歴史ファンのみならず家族連れや海外旅行者にも大人気。城下町にはカフェや老舗和菓子店が並び、JR福知山駅前には手ごろで快適なビジネスホテルが点在しています。本記事では、「続・日本百名城」にも選ばれています福知山城観光をより充実させる宿泊施設5選と、城の歴史・見どころ・季節イベントまで丸ごと解説。これ一つで旅の計画が完成する保存版ガイドです。
※:ランキングや表示順番はむーちゃんの独自調査によるもので公式ではありません。
福知山城観光に便利なおすすめ宿泊施設5選
ホテルサンルート福知山
JR福知山駅北口から徒歩3分の好立地で、全室禁煙&加湿機能付き空気清浄機を完備。2023年に客室を全面リニューアルし、木目調の落ち着いたインテリアとワイドデスクがビジネス利用に好評です。福知山城へは駅前大通りを北へ真っ直ぐ歩いて約15〜20分。朝の散策がてら石垣を眺めながら向かうルートが人気です。館内レストランの和定食は地元米「丹波コシヒカリ」がお代わり自由で、しっかりエネルギー補給できます。
周辺スポットへのアクセス
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三段池公園・動物園:路線バスで10分
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福知山鉄道館ポッポランド2号館:徒歩12分
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大江山鬼嶽稲荷神社:車25分
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天橋立:京都丹後鉄道で約60分
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舞鶴赤れんがパーク:JR特急で45分
アールイン 福知山
駅南口を出てすぐ右手、荷物が多い日や雨天でも移動ストレスゼロの“駅チカ最短”ホテルです。客室からは山陰本線を走る列車と福知山城の天守が同時に望めるため、「鉄道と城」を写真に収めたい人にぴったり。無料コーヒーサービスやオリジナル焼き立てパンの軽朝食がうれしいポイント。福知山城へは駅構内連絡通路を抜け北側に回り、徒歩約12〜15分。
周辺スポットへのアクセス
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鬼饅頭で有名な中村屋本店:徒歩5分
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三和ぶどう園:車20分
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元伊勢外宮豊受大神社:京都丹後鉄道で30分
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鉄道好き必見・京都鉄道博物館:JRで約70分(京都駅乗換)
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綾部バラ園:JRで15分
福知山アークホテル
駅北口徒歩3分。駐車場が広く、車移動の旅行者から高評価を獲得しています。客室はダブル・ツインのほか和洋室もあり、ファミリー利用がしやすい設計。無料レンタサイクルで城下町や由良川河畔へ気軽にサイクリングできるのも魅力です。福知山城へは市民体育館を抜ける裏道を通れば徒歩約10分と最短クラス。
周辺スポットへのアクセス
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由良川堤防桜並木:自転車で8分
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日本の鬼の交流博物館:車25分
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質美八幡宮・木の根神社:車30分
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福知山市佐藤太清記念美術館:徒歩7分
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兵庫県立丹波並木道中央公園:車40分
福知山サンホテル
国道9号沿い、平面駐車場100台を備える大型ホテル。大浴場&高温サウナ、コインランドリーがそろい、長期滞在やスポーツ合宿にも利用されています。客室はシングルでも140 cm幅のセミダブルベッドを採用。城までは堀通りを北へ徒歩約17分で、夜のライトアップを見ながらの散歩が心地良い距離感です。
周辺スポットへのアクセス
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長田野工業団地:車15分
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丹波ワインハウス:車35分
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質志鍾乳洞:車40分
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福知山温泉 養老の湯:車10分
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道の駅 舞鶴港とれとれセンター:車50分
ビジネスホテル松代屋
“駅から30秒”を掲げる超駅前型ホテルで、もとは老舗旅館を全面改装した木の温もりあふれる館内が特徴。全室高速Wi-Fiとシモンズ社製ベッドを採用し、リーズナブルでも快眠を確保。チェックイン後すぐに荷物を預け、徒歩15分で福知山城へ。近隣コンビニや飲食店も豊富なので、夜遅くまでグルメ散策を楽しめます。
周辺スポットへのアクセス
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福知山夜久野高原花テラス:車30分
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大江山酒呑童子鬼瓦公園:車25分
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綾部市天文館パオ:車20分
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三段池ラビハウス動物園:バス10分
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福知山マラソンコース(由良川河川敷):徒歩5分
福知山城の歴史をさかのぼる
明智光秀と福知山城築城の背景
戦国時代、織田信長の丹波攻めを任された明智光秀は、攻略の拠点として天正7(1579)年ごろに福知山城を築きました。由良川と猪崎山に挟まれた丘陵を巧みに利用し、湿地を堀代わりにした平山城の構造は当時としては先進的。築城資材には周辺寺社の石仏や五輪塔を転用したと言われ、石垣には花崗岩に混じり仏像のレリーフが今も残ります。光秀は城下に碁盤目状の町割りと治水工事を施し、丹波経済の中心地へと育てました。
江戸時代の藩政と城下町の発展
関ヶ原後は有馬・岡部・朽木・稲葉など外様から譜代まで多彩な大名が入封し、福知山藩三万二千石が成立。城下町は、藩札を発行するほど商業が発達し、由良川舟運で丹後・但馬と結ばれました。藩校「進徳館」では朱子学が教えられ、近世中期には学問の町としても知られます。現在の市街地に残る武家屋敷跡や町家の格子戸は、この時代の面影です。
明治維新と廃城、石垣の保存
明治6(1873)年の廃城令で建物は解体されましたが、高さ約22 mの高石垣は陸軍省の倉庫用地として残され、城跡の大半が公園となりました。石垣に使われた転用石の歴史的価値が再評価され、「史跡福知山城跡」に指定(1965年)後は市民ボランティアが草刈りや石垣補修に参加。城を守る活動は今も続きます。
昭和の再建プロジェクトと市民の瓦寄付
1968年、島原で江戸期の福知山城絵図が発見され再建機運が高まります。石油危機で一度頓挫しましたが、1984年に「福知山城再建期成会」が発足し、瓦1枚3,000円の“瓦一枚運動”で8,500人超・5億円を集めました。1986年11月、木造外観復元の3層4階天守が完成し、寄付者名入りの瓦が今も屋根を飾ります。
令和時代の保存修理とデジタル化
2020年代以降は耐震補強とバリアフリー化が進み、2023年にはVR天守見学システムが導入。2025年4月から共通券にモバイルQRを採用し、美術館・鉄道館との周遊がスマホだけで完結します。市は2026年度までに石垣3D点群データを公開予定で、学術利用や観光プロモーションに活用される見込みです。
福知山城の見どころガイド
再建天守から眺める由良川パノラマ
天守最上階(地上25 m)からは、由良川が描く大蛇行と丹波高地の山並みが一望。特に朝霧が川面を覆う秋は、雲海に浮かぶ城郭写真が撮れるとSNSで話題です。望遠鏡(100円)には方角プレートが付き、天橋立や大江山鬼嶽も指さし確認できます。
現存する高さ約22 mの高石垣
「野面積み」と「打込接ぎ」を併用した石垣は国内屈指の高さ。転用石には宝篋印塔や地蔵菩薩像が見られ、石工の遊び心が感じられます。桜の根元付近にある刻印「十」や「巴」は藩ごとの石丁場印で、石垣ウォークツアー(毎週土曜10:00発)で解説してもらえます。
福知山市郷土資料館の展示ハイライト
天守内部は資料館。光秀直筆書状(複製)や「福知山城絵図」、瓦一枚運動の寄付帳などが展示され、築城から再建まで一気に学べます。2025年夏の特別展は漫画家こうの史代氏とのコラボで、福知山を舞台にした限定御城印も販売中。
季節を彩る桜と夜間ライトアップ
本丸広場には約50本のソメイヨシノが植えられ、桜の開花期(3月下旬〜4月中旬)は18〜21時にライトアップ。石垣を照らす温白色LEDが水堀に反射し、幻想的な写真が撮れます。2025年は登城坂にも提灯が並び、屋台出店が復活予定。
御城印・限定グッズで旅の記念を
売店では御城印帳や武将印、地元工芸士が手刷りした浮世絵風ステッカーなどを販売。数量限定の「福智山城16ページ御城印帳」はクリーム和紙に高石垣がエンボス加工され、コレクター垂涎の一冊です。
モデルコースで巡る福知山
駅発!徒歩90分お城と城下町散策
JR福知山駅を起点に北口観光案内所で地図とレンタサイクルをGET(1日500円)し、まずは徒歩で城へ。石垣見学の後は大手門跡→御霊公園→元町商店街へと歩き、光秀公御膳が名物の和食店「華寿司」でランチ。午後は福知山鉄道館フクレルでSL体験。所要約90分、歩行距離2 km。
自転車で周遊:三段池公園&鉄道館コース
城下町から北へ坂を上ると三段池公園。動物園や児童科学館を回り、池畔の芝生でピクニック。帰路は由良川サイクリングロード経由で駅前へ。起伏が少なく、初心者でも快適。全行程約12 km、レンタサイクル所要3.5時間。
バスで行く鬼伝説の大江山とセットプラン
福知山駅から京都丹後鉄道で「大江山口内宮」駅下車、路線バスで鬼嶽稲荷神社へ(片道45分)。「日本の鬼の交流博物館」で鬼面づくり体験後、夕方に城ライトアップへ戻る日帰りプラン。福知山おでかけきっぷ(1,200円)を活用すると交通費が約30%お得。
天橋立・舞鶴赤れんがと周遊1日旅
午前中に福知山城を観光後、京都丹後鉄道「快速 丹後あおまつ号」で天橋立へ(60分)。絶景リフトと廻旋橋を満喫したら、JR舞鶴線で舞鶴赤れんがパークへ移動(40分)。夕方に福知山へ戻って温泉と地酒で締める鉄道周遊。
秋限定!由良川花火大会と夜城見学
毎年8月上旬開催の「鬼力の由良川夏まつり花火大会」は、河川敷から約3,000発が打ち上がり迫力満点。花火後にライトアップされた福知山城を訪れると、夜風に揺らぐ石垣の照明がロマンチック。打ち上げ会場~城までは徒歩20分。
福知山グルメ&お土産
福知山名物「ええにょぼ寿司」とは?
「ええにょぼ」とは丹波弁で“美人女性”の意。昭和初期の町おこしで生まれた押し寿司で、木箱にサワラ・アナゴ・エビを彩りよく並べ、上に甘酢生姜で赤い口紅を表現。華やかな見た目と甘めの酢飯が特徴で、駅ナカ売店や老舗寿司店で持ち帰りOK。
明智公ゆかりの「光秀饅頭」を食べ比べ
城下の菓子舗が競う銘菓。求肥入り粒あんを薄皮で包み、焼き印に桔梗紋を押した定番から、斗ころし味噌入りなど変わり種まで10社以上が製造。食べ歩き用に4種詰め合わせパック(600円)が観光案内所で人気。
由良川清流育ちの鮎料理
初夏の鮎解禁と同時に、市内割烹で鮎塩焼き・甘露煮・鮎寿司が並びます。由良川産は香りが強いのが特徴で、塩焼きはひれ先が焦げる直前が食べ頃。鮎甘露煮は常温で30日保存でき、お土産好適。
地酒「福知三萬二千石」の楽しみ方
藩高に由来する銘柄で、地元酒蔵が仕込むキレの良い純米酒。城をラベルに描いた限定ボトルは観光案内所のみ販売。冷やで米の旨み、燗でふくらみを味わえ、甘辛い丹波黒豆煮との相性抜群です。
おしゃれ城下町カフェ巡り
城下町にはリノベ古民家カフェが点在。石畳が残る広小路通りの「城音(じょうね)」は、築120年の町家にジャズが流れる空間。抹茶ラテと光秀プリンがインスタ映えと評判です。テラス席からは石垣が見え、午後のティーブレイクに最適。
旅の実用観光情報
JR・高速バスでのアクセスと時刻表情報
京都駅から山陰本線特急「はしだて」で福知山駅へ約75分、大阪駅からは特急「こうのとり」で約95分。高速バスは京都交通が京都駅八条口〜福知山駅を毎時1本、所要約100分。福知山駅〜福知山城公園は路線バスで10分(200円)または徒歩15分。
城周辺の駐車場&レンタサイクル情報
福知山城公園駐車場は普通車100台・1時間無料、以降30分100円。駅北口観光案内所のレンタサイクルは電動アシスト1日1,500円、シティサイクル500円。駐輪場は城下町広小路と大手門跡の2カ所が無料。
観光案内所・無料Wi-Fi・手荷物預かり
JR福知山駅北口の観光案内所では英語・中国語対応スタッフ常駐(9:00〜18:00)、Wi-Fi利用と手荷物預かり(1個500円)が可能。案内所で配布する無料Wi-Fiカードは城・商店街・三段池公園でも利用OK。
お得な福知山観光パスと割引クーポン
福知山まるごと観光パス(大人1,800円)は、福知山城・美術館・鉄道館入館+市内バス1日乗り放題がセット。スマホ購入でデジタルクーポンが発行され、城売店10%OFFや土産店ソフトクリームサービス特典付き。
年間イベントカレンダーとおすすめシーズン
春:桜ライトアップ(3/21〜4/13)、光秀公祭(5月第3日曜)
夏:福知山HANABI(8/11)、鬼力の由良川花火大会(8/2)
秋:福知山マラソン(11月第3日曜)、城下町灯籠流し(10月下旬)
冬:光秀イルミネーション(12/1〜1/8)
見頃は桜と紅葉、気候が安定する10月〜11月初旬がベスト。
まとめ
福知山城は、明智光秀の築城という歴史ロマンと、市民の情熱で蘇った再建ストーリーが交差する稀有な名城です。高さ22 mの高石垣や桜ライトアップはもちろん、周辺には動物園・鬼伝説の大江山・赤れんがパークなど多彩な観光素材が揃い、1泊2日でも時間が足りないほど。駅前に快適なホテルが集中し、アクセスも良好。福知山まるごと観光パスやレンタサイクルを活用すれば、歴史・自然・グルメを効率良く満喫できます。光秀ゆかりの城下町で、あなたも“瓦一枚”分の物語を見つけてください。
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